父の生活、母との接点

結婚当初は共稼ぎであった両親、私達兄弟が産まれると母は専業主婦になった。

食パンの昼食と風呂の準備、一部買い物、ゴミ出しが定年後の父の仕事となる。

母の骨折で炊事全般まで引き受けることになってしまった父。 要支援2。

 

母からレシピを聞いて味の再現を試みたり、宅配弁当を活用したり奮闘するも

どうにも上手くいかない。最近は嚥下(食物の飲み込み)にも少々難が出始め、

食事中に咳き込んだりする。結局、食事全般が「ワシの口に合わせてもらう」となっていった。

 

「お父さんの料理は私がしていたのと比べて、倍柔らかく倍味が濃い」

 専ら母の愚痴になっていたが、父本人に面と向かっては言わない。

 父も薄々察してはいたのか、私が介護に専念すると聞くやいなや、

「それなら母さんの食事もお前に頼む、自分のことは自分でやるから」

 となり、 判で押したような父の一日がより一層、規則的に。

 

ー父の1日ー

起床5時半。

朝食6時。

朝刊に目を通し、9時半から買い物など所用の外出。

母が好みそうもない菓子や果物など、適当に買ってきては枕元に置いていく。

昼食12時。

入浴2時(1日置き)。

3時から夕食の支度。

炊事場の使用が私と重なると真後ろに立って作業が終わるのを待っている。

「鬱陶しいんだけど」と言うと3歩程下がりはするが、待つのは止めない。

猫舌のため調理後いったん温度を落ち着かせ、夕食5時。 

就寝8時。

家族以外の対人関係殆どなし。

趣味は読書。

自室には読み漁った文庫本が煩雑に並べられていて手を付ける隙なし。

 

一方、母は痛みのため1日の殆どを眠っているか、まどろんでいるかという状態。

何か助けて欲しいことがあって「お父さん、お父さん」と呼んではみても、その

か細い声は父には届かない。

はかなく切れかかっている夫婦の接点を互いなりに繋ぎ止めようとしているのか…。

五十路を迎え、単身の身で実家に戻った私にとっては少々切なくうつる光景でした。

 

   わけもなく誉められているおでん鍋

  

Cat


コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    matu8 (月曜日, 29 12月 2014 15:40)

    コメントありがとうございます。訪問を再開させていただきます。また、よろしくお願いします。