ケアマネージャーは報酬を伴う職業。一方、民生委員は無償が前提の善意活動。
それでも「それは大変」と気さくに相談に乗ることを了承してくれた民生委員のTさん。
ケアマネージャーが「役割でない」と放棄した介護サービスでの相談をそんなTさんに
引き継がせていくことになった。
一通りの話を聞き終えたTさんからは思案する様子もなく、割と直ぐに
「民生委員地区会長に相談してみる、後日連絡し直す」と返事を返され、
「社会福祉協議会に民生委員児童委員協議会連合会という組織があり、
民生委員の役員がいる、そこに相談に行きましょう」ということに。
Tさん、地区会長と共にが市の社会福祉協議会へ出向くことになった。
要するに、このような役目は自分の手に余ると思ったTさんは地区会長に話を上げる。
また、その地区会長が同様に市の連合会まで話を持っていった。ということのようで、
『やはりこんな話、迷惑でしかなかったか』と恐縮するばかりとなるのだが…。
しかし、社会福祉協議会に集った民生委員殿各位はそのような素振りなど微塵も見せず、
丁寧すぎるほど私に質問を重ね、話を聞いてくれ、さながら勉強会のような座となった。
「最近は色々な形態の事業所が次々と出来ているようで、実情を知っておかないと」と。
支援事業所が「仕事の範疇ではない」と言い切る以上、制度上規定がないのかもしれない。
ただ、このケースは専門知識が備わっているとは限らない民生委員には、やはり荷が勝つ。
「ここは代表が弁護士で法的なアドバイスも聞けるはずだから」と成年後見人申し立ての
相談などが主な活動だという地元のNPOを紹介されるという運びとなった。
一方、担当のケアマネージャーはというと、デイセンターとの対応はおろか、
母から今の窮状を訴えられているというのに、リハビリの再開についてさえ、
こちらから切り出さない限り、もはや自分からは、一切触れようともしない。
「デイセンターは連絡して来ない、完全に無視されている」と言ってみても、
「センター長に、連絡をするように伝言しておきます」との対応がその度に
計3回、ただ無為に繰り返されることになる。
自分が担当する介護サービスの相談を民生委員に引き継がせたケアマネージャーへの不信感。
それでも、言われるがままに動いてしまった置かれた状況への焦燥感。民生委員への相談は、
そんな<ちぐはぐさ>ばかりが跡に残る結果に終わった。
先生に相談をする一周忌