行政の判断

医療事案に限らず裁判において、立証責任は訴える側にある。

医療機関の診療行為で過失があったと訴えを起こすとなると、

カルテが立証のための証拠となる。カルテ改ざんの恐れがあると思われる場合、

依頼を受けた法律事務所はカルテの保全を行い、先ずは証拠を確保するという。

それを協力医に鑑定してもらい証明していくのだが、医療事案は専門性が高く立証が難しい。

そのようなきちんとした手順を経ても、患者側の勝訴率は約2割と通常事案よりも低くなる。

 

センター側は母へ施した処置については問診・触診だと言う。

そう言う以上、医療行為であったことには違いない。しかし、

正規の医療機関ではないデイサービスには、保全されるカルテなどはなく、

その利用者は自分の身体ケアすら不自由になった介護認定者が対象となる。

 

トラブルが発生した場合にも解決は円滑でなければならないが、

そのための絶対に必要な要素が”誠意”ということになってくる。

そして、その担保となるものが契約書であって、

「迅速かつ適切な苦情対応・誠意をもった協議」

これを前提に介護サービスが成り立つのである。

 

しかし、医学的立証責任を盾に介護制度の信用までも貶める業者が紛れ込んでいた。  

そのような業者は行政の指導・監督の対象となり、戒められなければならない筈だ。

 

介護事業所の指定や指導・監査は本来、県の介護保険室の仕事であるが、

私達の市は中核市として位置づけがあるため、県からその権限が移譲されていて、

事業認可は介護保険課、指導・監査は福祉指導監査課が市役所に設けられている。

 

このセンターに一定の行政的ペナルティー、もしくは何らかの指導が与えられるよう

私は役所に働き掛けることにした。センターから渡された重要事項説明書にある通り、

差し当たっての窓口は介護保険課ということになる。

 

課にこのセンターへの対処を求めるのは本社会談の口添え以来、二度目である。

電話を掛けてみると、これまで私達の相談を受け本社会談までの経緯を一通り

知っている職員が4月以降も移動にならず、まだ介護保険課に居た。

 

その職員に本社会談以降の経緯を訴え、指導監査課が対処すべき事案としての

取り扱いを要請。職員からは「一・二週間、時間を貰うことになる」と返答され、

指導監査課の判断が介護保険課から電話で報告されることになった。その結果は、

なんと「このセンターを今後も問題のない業者として認可していく」というもの。

 

「そう判断する理由を直接聞きたい、指導監査課に取り次いでもらいたい

 期待を裏切る回答に私はただ唖然となり、電話口で職員にそう詰め寄った。

 

      青田道辿れば神経内科裏