行政への嘆願

役所が慎重に構えると、直ぐに要望通りの対応には繋がらないかもしれない。

その位の予想はあった。だが、センターの対応は全くデタラメで矛盾だらけ。

それを示す根拠があるとなれば、役所の腰がどれ程重かろうが

事情を聞く位の責任は必然的に出る筈と考えていたのであるが…

 

 指導監査課へ取り次がれた電話、応対に出たのは主幹という立場の役人だった。

「介護保険課から経緯をきちんと確認しての決定、もはや行政の出る幕はない、

 話し合いが行われ、それで納得いかないならば裁判で決着させてもらいたい」

 ここに来るまでに方々の相談窓口で事情を訴え続けて、その度に

 判で押したように返されてきた答えがまた、そのまま返ってきた。 

 

「市民として、課宛に嘆願書をしたため役所に持参する、

 それについての行政の了見を直接、聞かせて頂きたい」

 それ位のことを言わないと、役所を繋ぎとめてはおけない。

 それ程に「けんもほろろ」といったあしらわれようだった。

 

そんな具合で、センター宛てに送付した意見・要望書と

ほぼ同様の文書を役所に対しても書き直す羽目になった。

 

センターへは「デイサービスであっても医療人としての

自覚と責任に基づいた運営に当たれ」といったのに対し、

役所へは「医学的立証責任を盾に契約書もないがしろに、

責任逃れに走るような業者はその行為を確認した時点で、

権限を行使して取り締まる必要がある筈だ」というもの。

 

そうでなければデイサービスなどというもの、

不手際により利用者が被害に遭ったとしても、

その場で救急搬送され、直後の診療記録が残されでもしない限り、

事業所側の胸三寸で、どうにでも責任回避が可能になってしまう。

その前例が今、まさに作られようとしている。

 

それをただ指をくわえ、見ていてはいけない。

 

これだけは、どうしても直接訴えなければ気が済まなかった。

この件で役所に足を運ぶのは市民相談室への無料法律相談以来、二度目となる。

その電話回答の10日程後の指定日、全ての資料を揃え、指導監査課へ出向いた。

5月も末の眩しい日差しの午後だった。いつの間にか季節は初夏へと移っていた。

 

      捨て猫の眼中に跳ぶ雨蛙