二回目の成績法律相談、前回は医療事故についてのみの相談に終始したが、
今回は「不当な契約解除を無効に出来るか」との内容が相談の中心となる。
経緯説明の手間を考えると、再び前回相談の弁護士を訪ねるのが妥当だが、
どうせなら、別の弁護士からも医療事故の意見を聞き直してみたいと思い、
この際はと、前回とは別の法律事務所に相談の予約をとった。
平成24年、母がパーキンソン病の疑いありと診断を受け、治療が始まる。その年12月、
右足肉離れで身動きが取れなくなったことを機に、在宅介護が始まるのだが、26年8月、
失職状態は変わらずに続いており、今回の法律相談は<法テラス>を利用することにした。
<法テラス>は経済的な理由で弁護士などへの法律相談が困難な人を対象に国が設けた無料の
法律相談ができる制度で、無料法律相談は市役所の市民相談室へ出向いての相談と弁護士会が
主催する電話相談を既に経験済みだ。
この市民相談室と弁護士会の相談に利用回数の制限はないようだが、相談時間には制限があり、
相談者側から希望の弁護士を指名したりはできず、最初の相談で時間切れとなれば、次はまた、
最初から事情を説明し直す必要がある。
<法テラス>法律相談の時間制限は30分。利用可能な事務所で収入や預貯金の状況を申告し、
受け付けられれば、同一案件で三度までの利用が可能。前回と同様、県の弁護士会の一覧から
問い合わせ、医療事案の取り扱いに確実な経験があると、確認がとれた事務所に予約を入れた。
午前中は母の介助に手を取られるため、外出は専ら午後からとなる。相談も午後一番の予約。
カッと太陽が照りつけ、歩き出した途端、どっと汗が噴き出してくる正に盛夏といった日和、
市の中心部、県庁街のこじんまりとした7階築オフィスビルのフロアを借り切った事務所は、
前回相談の事務所からも近く、外目こそ似ていたが、事務所内の様相は幾分違った感だった。
前回は受け付けを済ませると、内装やテーブル、椅子と落ち着いた色で統一された相談室に
通され弁護士を待ったが、今回は廊下の一隅にソファーと小さなテーブルが置かれた簡易の
待合所での待機となった。待合所には新聞やら広報誌やらが雑然と置かれていて、通された
窮屈な相談室も切り抜きの記事などが無秩序に貼ってある。
事務所のホームページには所属弁護士の生年月日、経歴や活動の記録、仕事に取り組む姿勢など、
色々と載せてある。相談を受け持つ男性弁護士は年齢60位ということだったが、実際に会うと、
絞れた中背の体躯で、載せられていた写真より若い印象だった。
ネクタイを外したワイシャツ姿、挨拶の前に一息ついた仕草。緻密なスケジュールを刻みながら、
いかにも精力的に仕事を熟しているといった雰囲気。職を離れ、無料の法律相談に駆け込むのに、
あれこれ思案しながら、ここまで来た自分と、この弁護士は全てにおいて対極の場所に居るのだ。
デーブルを挟んだ弁護士と正対し、そんなことを考えながら、この件で4度目となる法律相談が
始まっていった。
くるくるとわれは白紙の星祭