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2016年

8月

11日

医療裁判の勝訴率

医療事故弁護士法律相談センター」というサイトある。そこに「医療裁判の勝訴率」ページがあり、

原告側の請求が一部でも認めらた判決の割合・認容率の近年の推移とその解説が掲載されている。

それによると、昭和40年頃の認容率は10%程度。それが50年代には30%台にまで上がり、

最も高かったのが平成15年の44%。近年はまた減少傾向で20%程と原告には厳しい状況で、

それだけ医事関連の訴訟は立証が困難という内容だ。

  

医事関連以外の民事訴訟の容認・勝訴率は85%程はあるということ。

「裁判をすれば勝てる」と見込めるからこそ、人は訴訟を起こし解決を目指す訳で、

「主張を認めさせることは法的には厳しい」と認識を持った時点で「裁判」という

選択自体が消える。民事訴訟において容認率が高いことは当然、との分析もあった。

 

年間の訴訟申し立て件数でも大きな差がある。医事関連の約千件に対し、それ以外の地裁での通常の

民事訴訟は約十数万件。法律相談に出向いてはみたものの、医療事案における厳しい現実を告げられ

裁判にまでは踏み切れなかった結果がこの数字にも表れているのかもしれない。

 

私の場合は、そもそも相手が正規の医療機関ではないことで「裁判所が定める証拠を確保しきれない」

と悲観的な見通しが告げられた。遠回しに「早く忘れろ」と諭された印象さえある。賠償を勝ち取れる

見込みもないのに、裁判官相手に無念の思いだけをぶつけても意味が無いといった見方になるのだろう。

だが、こうなってくると医療事案は立証が困難が故に勝訴率も低いとの理解が腑に落ちなくなってくる。

 

 


 

原告となった人達が法的な勝算も確かめずに、闇雲に訴訟を起こしているとは考えにくい。先ずは

私同様、専門の弁護士を探し、事前の法律相談に出向き、医療裁判の諸事情も含め分析を聞く筈だ。

その上で勝訴率が2割しかないとはどういうことか。性懲りも無く毎年8割負け続けるというのは

どういうことなのか、といった思いである。

 

毎年8割ずつ負ける。それは「法的に主張を認めさせることは困難」と法律家から諦められ、

勝てないと承知の上でも、医事に限ってだけは裁判に訴え出ているということではないのか。

 

信頼をもって託した生活・預けた命や健康に対して、誠実に扱われなかった局面があった。

命と健康は金銭に替えられない、金銭では取り返しをつけららない、損得“以上”の問題だ。

ましてや、かけがえのない家族がその無念を自分で晴らすことができなくなったとなれば、

その代弁を果たそうとするのが家族というものだとしたら。

 

時に人は、街角に立ち署名を集めることもあれば、メディアの前て不条理を訴えもする。

そして、裁判が残された唯一の手段となった時は、勝算など度外視してでも訴えるのが

家族というもの…。

 

医療裁判の認容率・勝訴率の低さについての現状は最初の無料法律相談の時も、先ずは聞かされた。

当事者となり一年近く交渉を続けて来た果てに、その時には表面的な情報として聞いていた事柄を、

初めてこのように見詰め直していた。

 

     老女また花火の音に立ち上がる

 


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